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子どもにも権利があるの?

みなさんは「子どもの権利条約」を知っていますか?

「子どもの権利条約」は、子ども(18歳未満)を権利をもつ主体と位置づけ、おとなと同じく、ひとりの人間としてもっている権利を認めています。さらに、おとなへと成長する途中にあり、弱い立場にある子どもたちには保護や配慮が必要な面もあるため、子どもならではの権利も定めています。

この条約の定める権利には、大きく分けると以下のようなものがあります。

○生きる権利

住む場所や食べ物があり、 医療を受けられるなど、命が守られること

○育つ権利

勉強したり遊んだりして、もって生まれた能力を十分に伸ばしながら成長できること

○守られる権利

紛争に巻きこまれず、難民になったら保護され、暴力や搾取、有害な労働などから守られること

○参加する権利

自由に意見を表したり、団体を作ったりできること

 

日本では現在子どもの7人に1人が貧困という状況にあり、生きる権利さえ守られていない子どもたちも増えていて、大きな問題です。

一方で経済的に恵まれた環境の中で育っている子どもたちは自分の権利を大切にされているかというとそこにも疑問符がつく実態があります。

子どもの権利条約の第31条は「休み、遊ぶ権利」について定めています。

 

第31条 子どもは、休んだり、遊んだり、文化芸術活動に参加する権利をもっています 

 

ひょっとしたら、びっくりする方もいらっしゃるかもしれませんが、休んだり、遊んだりすることは子どもの権利なのです。これは子どもがよく育つためには休んだり、遊ぶことが必須だと科学的にもわかっているためです。

 

 

日本の子どもたちは放課後の時間や休日も塾や習い事など大人に決められたスケジュールによって埋められ、のんびりしたり、思いっきり遊んだりする時間を奪われている実態があります。また、のびのび遊べる場所、豊かな環境がない、ということも権利を奪われていることになるでしょう。

たかが遊び、と思わず大切な問題として考えたいですね。現状を変えられるのは私たち大人の側なのですから。

同時に子どもたちが自由に自分たちの意見を表すことができる、選ぶことができることがとても大切だということも忘れないようにしたいですね。子どもたちをひとりの人間として尊重する世の中にしていきたいものです。

(理事・安田あづさ)